尿路感染症の話　その③ 〜感染を予防するために出来る事〜

ほんで姐さん！その尿路感染症を予防するために出来ることってなんなん！？

ちょっと咲夜！私達の大先輩にそんな呼び方・・・

良いの良いの！何だかそう呼ばれるのは初めてだから嬉しいなー。前の職場は男所帯だったし・・・主任ちゃんも男が裸足で逃げ出すほどの男前だったから・・・

そうだったんすね！ふむ・・・

まずもちろん！清潔に保つという事が重要ね！特にご自分で入浴できない、そしてトイレに行けない人は特に重要！入院中でもそのリスクはしっかりと共有する事ね。オムツ交換時に尿臭がしたり、もちろん汚れていたり、尿道にバルーンが入っていてもその中に浮遊物が無いかをしっかりと確かめる。外界と交通しているからリスクもまた高まるわ。

なるほどなぁ。オムツ交換だってウチらもやる時あるもんなぁ。もちろんその技術は看護師さんや介護士さんには負けるけど、特に介護指導場面で必要になるもんな。むしろそういう事は教えてもらう方がええわな。

そうだね。そこで一緒にリスクを共有して、ちょっと頑張ってトイレに誘導する必要がある事もまたあるから、ここは協力だね。

そこもまた連携っすね！そして連携するにもやっぱり理由が必要っすからね！それにもしバルーンが入っていてもトイレ動作が安定する、もしくはそこで患者様の身体機能に合わせた方法が提案できれば、それだけバルーンも早く抜けるっすから、バルーンが入っているからじゃなくて、リハビリと病棟とで連携してトイレへの誘導方法の確立が必要っす！ADLを上げるにもそういった理由もまた大切っすね！

それにトイレ動作の方法の確立以外にも大切なのは車椅子に起きている習慣をつける事かな。こう尿道は前と下の方向に向いているの。でも仰向けに寝たきりでいると、どうなるだろうかな？

前下方だから・・・あっ！仰向けだと後ろの方に溜まりますね！後ろの方というか下の方か・・・

なるほどな。そこの残尿に感染源となるものが蓄積して繁殖して、結果として尿路感染症のリスクになる訳やな！

ふむふむ。それに座っていると腹圧も若干掛かるっすからトイレにも行きたくなるっすね。頻回にトイレに行くのが嫌な人もいるっすから、ちゃんとそれが必要な事と教えなきゃならないっすね！他にも可能ならポータブルトイレを使用するとか、環境の調整が必要っす！

うん。そうね。個人的にはやっぱり離床の習慣が付いてくるとそれに比例してバルーンの中の浮遊物も減ってくる気がするわ。それにトイレに連れていく。これは在宅でも難しい事があるから、主介護者に入院中から看護師さん達と協力してオムツ交換や陰部洗浄の方法を伝えるのも有効ね。あとはしっかりお水を飲んでトイレにいくという事も。やっぱりこうやって患者様自身に分かってもらう事が一番大切だと私は思うわ。

まぁ言って見れば、離床の習慣を付ける！トイレの誘導方法を確立する！生活指導って訳やけどな。姐さんの言う通り解剖学から理解するのとしないとでは全然ちゃう気がするな！

そうね。そこまでしなくて良いと思う人も確かに居るけど。時には命に関わる事だから特に在宅では必要な事よね。

でも全ての人が介護サービスや訪問リハビリを受けられる訳じゃないからなかなか難しい事ですよね。

そうっすね・・・でも美奈さん見たいな凄い人が病院以外でも何か指導をしてくれるとそれだけ皆んなのためになると思うっす！

なるほどね。もう臨床は離れてしまったけど、私にも出来そうな事が見つかったわ！ありがとうね。貴女と、貴女達とお話できて良かったわ！

こちらこそっす！それに先輩の事は・・・

へっへ！？

あらありがとう。アザラシみたいな丸っこい可愛い素敵な旦那様だったでしょ？挨拶はちゃんとした？

そうだったんですね！おめでとうござます！

もうなんていうか・・・ほんまにドンマイやな・・・

もう！先輩！なんでそんな重要な事を先に言わないんすか！それに美奈さんも！

あれあれー？私は薫ちゃんは後輩として好きなだけよ？もちろん進藤ちゃんと同じくらい後輩として好きだわ。でも一番好きなのはアザラシみたいに丸っこくて可愛らしい旦那様なのー。

ご馳走様です。それに楽しくて皆んな仲良しだね！

あんな。改めて思うんやけど、上代の瞳で見る世界はさぞかし平和なんやろな・・・